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スノーボードの板の選び方 | 初心者〜中級者向け

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スノーボードの道具選びの中で、一番楽しくて、でも難しいのが「ボード」です。

デザインはもちろんのこと、形状、サイズ(長さ)、硬さ(フレックス)、トーション(ねじれ)と色々な種類のボードが販売されています。

自分のレベルや目指すスタイルに合わせてしっかりと選ぶことで、滑って楽しい、上達しやすい、満足度の高い板と出会えます。

スノーボードの基本構造から、形状別の種類、選び方、オススメをご紹介します。

 

 

スノーボードの種類

スノーボードには大きく分けて、ソフトブーツを履いて滑るフリースタイルボードとハードブーツを履くアルペンボードの2種類があります。

オリンピックの種目で言えば、ハーフパイプやスロープスタイル、スノーボードクロスはフリースタイルボード、大回転はアルペンボードが使われています。

本記事ではフリースタイルボードについて以下説明していきます。

 

スノーボード(板)の構成要素

 

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デッキ:ボード表面

ノーズ:ボード先端

テール:ボード後ろ端

インサートホール:ビンディングを取り付ける穴

サイドカーブ:ボード側面のカーブしている部分

ウエスト:ボードの一番くびれている部分

レングス :ボードの長さ

エッジ:ボード周囲にある金属部分

有効エッジ長:雪面と接するエッジの長さ

ソール:ボードの滑走面

 

ボードの形状1(キャンバー、ロッカー)

近年ボードの形状は多種多様なものが出ていますが、板を横から見た形状で大まかに次のように分けられます。

キャンバー

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形状:板の中央部分が浮いている、アルファベットの『W』型。

特徴:しっかりと踏む事で安定したグリップ力が得られ、反発を感じやすいです。

高いオーリーや、カービングでの高速滑走などに力を発揮します。

ロッカー

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形状:板の中央部分が地面に接する、アルファベットの『U』型。

特徴:エッジが引っかかりにくく回転しやすい、ルーズな乗り味です。

操作性が高いのでグラトリ、ジブ、レールなどパークでの滑り、パウダーに使いやすい形状です。

ダブルキャンバー

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形状:波打った形で、板の中央部分が地面に接する、アルファベットの『M』型。

特徴:キャンバーとロッカーの複合型で、ルーズさとエッジグリップを兼ね備えたもの。

滑りもパークもオールラウンドに楽しめます。

フラットロッカー

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形状:板の中央部分の広範囲が地面に接する形。

特徴:ロッカーのルーズさを残しつつ足元のグリップ力を高めたもの。

安定性が高く操作性しやすいので、初心者にも扱いやすいです。

 

ボードの形状2(シェイプ)

板を上から見た形状で次のように分けられます。

ディレクショナル

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ノーズとテールの形が異なり、ノーズが長く(セットバックが入っている)テールが短い、メインスタンスでの滑りを重視したボードです。スピードを出して山全体を滑りたい人におすすめ。

 

ツインチップ

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ノーズとテールの形状・長さが同じで、スイッチランディング(メインの滑走方向と逆滑走)がしやすいボードです。たくさんトリックをしたい人におすすめ。

 

ディレクショナルツイン

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ディレクショナルとツインチップの掛け合わせ。ノーズとテールの形状は同じで、ノーズが長く、テールが短いボード。オールラウンド型。

 

ハンマーヘッド

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板の長さに対して、有効エッジ長が長くとった形状。高速カービングをしたい上級者向け。

 

スワローテール

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パウダーでテールを沈めノーズを浮かせやすいボード。それでいながらエッジ長は確保できるので、切るようなターンが可能。

 

スノーボードを選ぶポイント

長さ(レングス・有効エッジ長)

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板の長さ、正確には板そのものの長さと有効エッジ長です。

長い板の特徴:高速安定性が高い →ハイスピードで滑りたい人/上級者向け

短い板の特徴:取り回しが良い →グラトリなど板を回したい人/初心者にもおすすめ

 

板の長さの目安

一般的には「身長−15cm」が板の長さの目安と言われます。

とはいえ、身長180cm以上の体格の良い方だったり、身長150cm以下の小柄な方だと必ずしもこの基準だと合わず、高身長の人は−20cm、低身長の人は−10cmと幅があります。

製品ラインナップ的には男性だと150~163cmくらい、女性だと140~153cmくらいの板が多いので、初心者のうちはその中から短めのものを選択すると良いでしょう。

あくまで目安なので、体重、脚力、滑りたいスタイル、レベルなどによって適した長さは変わります。

そして、ターンの安定感などに直結するのは正確には板の長さではなく「有効エッジ長」なので、2本目、3本目と乗り換える際には、有効エッジ長が今の板と比べて長いのか短いのか比較しながら板選びを考えてみると面白いですよ。

 

幅(ワイズ) 

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実際のブーツを合わせてサイズを確認しましょう。

ブーツがエッジから前後各1−2cm程はみ出す位が目安です。足が大きい人が幅の狭い板に乗ると、カービングで板を立てた際に雪面とブーツが干渉(ドラグ)してしまいます。

幅の広い板の特徴:安定性がある一方で、ターンの切り替えはややもたつく

幅の狭い板の特徴:ターンの切り替えはしやすい一方で、やや扱いがシビア

 

フレックス

フレックスは板の「たわみ」具合を表します。

柔らかい板の特徴:操作性が良く扱いやすい

硬い板の特徴:高速安定性があり、上手く扱えれば大きな板の反発が得られる

しなりのある柔らかめのボードは初心者や体重の軽い方におすすめ。

一方、硬いボードは上級者や体重の重い方におすすめです。

 

トーション

トーションは板のねじれのことを言います。

柔らかい板の特徴:操作性が良く扱いやすい

硬い板の特徴:高速安定性がある

トーションは足元での板の操作性に直結するため、初心者は柔らかいものがおすすめです。トーションが使えることでターンの切り替えがしやすくなります。

一方、硬いものはスピードが出た時の安定性が優れているので上級者向きです。

 

サイドカット(サイドカーブ)半径

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スノーボードのエッジは直線ではなく、緩いカーブを描いています。そのカーブの大きさは、円の半径で表されます。板のスペック表を見ると「サイドカット半径7.6m」などと書かれており、これは半径7.6mの円のカーブと同じことを意味します。

サイドカット半径の小さな板は小さい弧のターンがしやすく、サイドカット半径の大きな板は直進安定性があり大きな円のターンがしやすくなります。

 

デザイン

色、イラスト、素材感など様々な板が売られています。

お気に入りのデザインの板に巡り会えるといいですね。 

ステッカーなどでオリジナリティを出すのもオススメです。

 

相場

メーカーにもよりますが、定価で5〜8万円が多いです。

(エントリーモデルでは定価4万円〜、ハイエンドモデルでは定価10〜20万円もあります)

 

有名なメーカー

BURTON

1977年に設立されたスノーボード用品メーカー。

板、バインディング、ブーツ、ウェア、小物など、スノーボード用品一式が揃います。

 

SALOMON

 1947年に創業、スキー用品から始まり、現在はスキー、スノーボード、トレッキング用品などを取り扱うメーカー。

 

CAPiTA

2000年に誕生したスノーボードの板メーカー。

テクノロジーだけでなく、ストーリーのある独特の世界観のボードデザインにも注目。

 

YONEX

1946年に創業した日本のスポーツ用品メーカー。

1995年に「世界初のカーボンスノーボード」を開発してスノーボード市場に参入し、現在は板、バインディング、ブーツ、ウェアを展開しています。

 

Ogasaka

1912年に日本のスキーメーカー第一号として創業し、1987年にスノーボードを発売したスキー・スノーボードの板専門メーカー。

 

K2

1962年にスキー板メーカーとして創業し、1987年にスノーボードを発売。

スキー・スノーボードの板専門メーカー。

 

NITRO SNOWBOARDS

1990年に誕生したスノーボード用品ブランド。

スワローテールを始めとしたスノーボードの形状にこだわった開発を続けています。

板、バインディング、ブーツを販売。