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【レビュー】ソニーFE 35mm F1.8(SEL35F18F)の作例と感想 | 室内撮影や日常使いにピッタリな単焦点レンズ

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一眼レフカメラやミラーレスカメラに合わせてズームレンズを購入していて最初は満足していても、次第に気になってくるのが大きなボケ味が魅力の単焦点レンズではないでしょうか。

ソニーα7IIIに合わせてFE35mm F1.8 (SEL35F18F)を購入して半年間使ったのでレビューしたいと思います。

FE35mm F1.8は比較的最近(2019年8月末)発売されたレンズで、α7RIVやα7IIIに合わせて購入する1本目の単焦点レンズとして最もおすすめできるレンズだと思います。

実際に赤ちゃん撮影の多い我が家では半年間、FE35mm F1.8をα7IIIに付けっ放しでした。

 

 

FE 35mm F1.8 (SEL35F18F)とは

ソニーフルサイズEマウント用の35mm単焦点レンズはものすごく選択肢が多いです。純正だけでもF1.4、F1.8、F2.8の選択肢。

以前こちらの記事で紹介した通り普段使いにはこのレンズがピッタリだと思い購入しました。

結論から言うと、その中でFE 35mm F1.8は「小型」で「AFが早く」「寄れて」「写真にも動画にも使える」バランスのとれたレンズと言えます。

また、α6400やα6600のようなAPS-C機に組み合わせても約50mm相当のレンズになって標準単焦点レンズとして使いやすいでしょう。

主な仕様

  • 焦点距離 35mm
  • F値 F1.8
  • 最短撮影距離 0.22m
  • 最大撮影倍率 0.24倍
  • 重量 280g
  • フィルター径 55ミリ

35mm F1.8というスペックだけ考えると価格は若干高い気もしますが、使い始めると便利な単焦点レンズでα7IIIに付けっ放しになっています。

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半年間、毎日の子供撮影や外出時に使いましたので、写真を紹介しながらレビューをしたいと思います。 

 

外観

質感・大きさ・重さ 

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FE35mm F1.8はレンズ長7.3cm・重さ280gで、α7IIIに合わせるとバランスの良さを感じます。

ズームレンズに比べればグッと小さく軽いため、ちょっとしたお散歩や日々子供を撮るのに扱いやすいレンズ。

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FE55mm F1.8ZAとほぼ同じサイズ感。

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FE35mm F1.8のフィルター径はφ55mmで、実はFE55mm F1.8ZAのφ49mmより大きいです。

動画用の可変NDフィルターはフィルター径φ55mmを購入し、ステップアップリングを使ってFE55mm F1.8ZAと共有しています。

 

 

スイッチ・ボタン類

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レンズ側面には好きな機能を割り当てられる「フォーカスホールドボタン」とその下に「AF/MF切り替えスイッチ」が付いています。

このAF/MF切り替えスイッチがあるとサッとマニュアルフォーカスに変えることができて非常に便利。動画撮影でピントを固定したい際などによく使用しています。

 

 

性能

外でも室内でも使いやすい画角

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35mm, f/1.8, 1/250sec, ISO640

まず焦点距離「35mm」についてですが、人と周りの雰囲気を合わせて撮るのにとても使いやすい画角です。

標準レンズと言われる50mmは私も好きな焦点距離ですが、距離の撮れない室内では使いづらく感じます。被写体が一人だけならまだしも、母親と子供の二人を撮りたい場合は尚更です。

逆に28mmや24mmはスマホ感覚で撮れるのですが、近寄って撮ると顔の歪みなどが気になります。

そんな中、35mmだとある程度寄っても歪みが出づらく、周りの雰囲気も入れて撮影できる画角です。

 

明るいF値と自然なボケ味

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35mm, f/2.5, 1/250sec, ISO125

ズームレンズとの明らかな違いであるF1.8という明るいF値。

室内での赤ちゃん撮影では少しでも明るいレンズを使うことでISO感度を押さえた上でシャッタースピードを稼げます

そして単焦点レンズの魅力であるボケやすさ。F1.4に比べればボケ味は少ないですが、レンズの大きさとトレードオフになりますし、フルサイズのF1.8は思っている以上にボケてくれます。

35mm F1.8のボケは癖がなく自然なボケで、このレンズだからこそといった尖った特徴はありませんが、逆にオールラウンドに使いやすいと思います。

 

静かで早いオートフォーカス(AF)

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35mm, f/1.8, 1/60sec, ISO100

FE35mm F1.8のオートフォーカス(AF)は静かで非常に早く、動画を含めて普通に使っていて大きな不満は出ないでしょう。

また、α7IIIと組み合わせての使用では瞳AFが非常に便利でバシバシ、目にピントの合った写真が撮れます。

一方で、赤ちゃん撮影をしていてよそ見をしたり横顔になったりすると思っていないところにピントを持っていかれることがあります(これはレンズの問題ではないですが)。

このような場面では、「拡張フレキシブルスポット」に切り替えて目的の場所にピント合わせをしています(普段はα7IIIのフォーカスエリアを「ワイド」にして瞳を認識するように設定しています)。

優秀な瞳AFと言えど場面によっては使いづらいこともあるので、設定を切り替えやすいように工夫することが大事です。

 

高い解像感

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35mm, f/8, 1/125sec, ISO500

解像感に定評のあるFE55mm F1.8ZAを今まで使っていたので、並レンズと言われるFE35mm F1.8に解像感は期待していなかったのですが、風景撮影をしても解像感よくキリッと写ります。(載せている写真は圧縮しているので100%の実力が発揮できていませんが…)

画質面では癖がなく最近のレンズっぽい写りをします。

 

寄れる(最短撮影距離が短い)

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35mm, f/1.8, 1/400sec, ISO100

 もう一つ35mm F1.8の特徴として、「寄れる」というのがあります。

最短撮影距離が22cmのため、テーブルでの料理写真、子供の手足やお花などを撮る際に、近づいて大きく撮れるのはとても便利で表現の幅も広がります。

私が持っているもう1本の単焦点レンズFE55mm F1.8ZAは、写りは好きですが、寄れないことが不満で、そこが解消され利便性を感じています。

 

ここがイマイチ?

価格が高い?

正直言って35mm F1.8というスペックだけ考えるともう少し安いと嬉しいかも…とも思います。

ただ、実際に使ってみるとレンズのサイズ含めて普段使いしやすい性能でズームレンズには無い魅力を出してくれているので納得です。

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35mm, f/1.8, 1/8000sec, ISO100

写りは普通?

良くも悪くも癖はなく素直な写りで、もっとお高い大口径単焦点レンズのような感動はないかもしれません。

しかしFE35mm F1.8は、このサイズ感で静かで早いAFを持ちF1.8のボケを味わえるという大きな魅力があり、使っているとジワジワと良さが分かってきます。

日常のちょっとした瞬間をスマホではなくカメラで残しておきたい私にとってぴったりの選択です。

 

作例

作例はRAW撮影した写真をLightroomで色味などレタッチしたものを載せています。 

家族写真の顔出しはNGにしているので風景ばかりですが、ご参考までに。

お出かけ先で人と風景を絡めて撮るのに35mmという画角は使いやすいです。

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35mm, f/8, 1/640sec, ISO100

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35mm, f/2.8, 1/1600sec, ISO100
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(左)35mm, f/8, 1/2500sec, ISO100 (右)35mm, f/1.8, 1/2500sec, ISO1000

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35mm, f/1.8, 1/1250sec, ISO100

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35mm, f/1.8, 1/3200sec, ISO100

風景だと絞って撮るのが定番ですが、F値開放も積極的に使っています。上の写真は手前のワタスゲをボカすことでボリュームが出ていつもの写真とは違う雰囲気に。

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35mm, f/1.8, 1/60sec, ISO125

 

まとめ(こんな人におすすめ)

FE35mm F1.8は、取り回しのしやすいサイズ感でありながら、単焦点レンズの強みであるボケを楽しめ、短い最短撮影距離で寄ることができ、写真動画ともに使える早いAF性能を兼ね備える、、、とにかくめちゃくちゃ「使いやすい」レンズです。

単焦点レンズに何を求めるかは人によって違います。とにかく尖ったレンズを買うというのは有りなのですが、子供を撮りたい我が家としては記録的な要素もあるため最短撮影距離やAF性能など使いやすさはとても大事。

FE35mm F1.8は赤ちゃんがいて室内撮影が多くこれから子供の撮影をたくさんしていきたい方や、荷物を軽くして普段使いしたい人に間違いなくオススメできる1本です。

保護レンズはKenko PRO1Dを使用しています。

 

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