α7III/RIVやα6400/6600など魅力的なフルサイズミラーレスカメラを次々投入しているソニー。キヤノンからソニーへの移行(または併用)を考えている方も少なくないはずです。
そんなキヤノンからソニーへの流れを後押しすることになったのがシグマのマウントコンバーター「MC-11」。キヤノンのレンズ資産が利用できると言うことで私自身α7IIIを購入するきっかけとなりました。
ただしシグマレンズ以外は正式には非対応レンズとなるため、EFレンズでの動作が気になるところですよね。
2020年1月現在最新ファームウェアアップデート(Ver.1.28、更新日2019.12.19)後の動作確認をしたのでご紹介します。
2021年2月現在、ver.1.37が最新版になります。
マウントコンバーターMC-11(SIGMA)とは
出典:マウントコンバーター | アクセサリー | SIGMA GLOBAL VISION
SIGMAマウントコンバーターMC-11はキヤノン用交換レンズをソニーEマウントボディ(α9シリーズ、α7シリーズ、α5000/α6000 シリーズ、NEXシリーズ)で使用するためのコンバーターです。
シグマの製品ですので、もともとシグマ製キヤノン用交換レンズのために作られていますが、キヤノン純正EFレンズでも使用できることが確認されてます(シグマは対応しているカメラボディ、レンズ以外での動作保証は一切していませんのでご注意を)。
電子接点を有しているためオートフォーカス可能でソニーミラーレスカメラの強みである瞳AFも動作します。そのため、キヤノンユーザーが自身のレンズ資産を活かしながらソニーボディを使うことができ、ソニーへ移行(あるいは併用)するきっかけに大きく貢献している製品と言えます(私もその一人)。
✔︎キヤノン用交換レンズをソニーEマウントボディで使用可能にする
✔︎オートフォーカス可能
✔︎レンズ手振れ補正作動*
✔︎Exif情報反映
サイズ:最大径x長さ 69.4×26mm、重量:125g
*レンズ+ボディ手振れ補正が効くのはシグマ対応レンズのみ(キヤノンEFレンズの場合は、「手振れ補正付きレンズ→ボディ手振れ補正OFF」、「手振れ補正なしのレンズ→ボディ手振れ補正ON」となります)
外観
マウントコンバーターMC-11の外観です。質感はよく作りもしっかりしている感じがします。


側面にはUSBケーブル取り付け部(左写真)と、レンズ交換時のロック解除部(右写真)が付いています。


マウントコンバーターの鏡筒内部は植毛が施されており、内面反射が抑えられています。
MC-11ファームウェアアップデート方法
MC-11発売当初は動作制限が多く評判がよくなかったのですが、アップデートが繰り返され現在は劇的に改善されております。
まずは最新のファームウェアにアップデートしましょう。2020年1月現在はVer.1.28(更新日2019.12.19)が最新です。
以下の流れでアップデートできます。
⒈ SIGMA Optimization Proをパソコンにダウンロード
⒉ MC-11とパソコンをUSBケーブルで接続
⒊ アプリ上でアップデートを実施
⒈ SIGMA Optimization Proをパソコンにダウンロード
ファームウェアアップデートの準備としてまずはパソコンにSIGMA Optimization Proをダウンロードします。WindowsバージョンとMacintoshバージョンそれぞれあるのでご自身のパソコンにあっている方をダウンロードしてください。
⒉ MC-11とパソコンをUSBケーブルで接続
SIGMA Optimization Proを起動後、MC-11とパソコンを付属のUSBケーブルで繋ぎます。


⒊ アプリ上でアップデートを実施
ソフトウェア上でアップデートしますか?と聞いてくるので、承諾してアップデートを実施します。しばらく待つとアップデートが完了するのでケーブルを外して終了です。
MC-11をキヤノンEFレンズに装着


マウントコンバーターはレンズとボディの間に入れるものになります。MC-11は長さ26mmあり、大きめのレンズですと若干長さが気になりますが、それでもレンズ資産を活かせるのは非常にありがたい。
ロックを引くことでレンズの取り外しができます。
さて、いよいよ動作確認です。
MC-11のAF動作確認
テスト条件
「α7III + MC-11 + 下記 EFレンズ」の条件で動作確認をしました。
フォーカスモード:AF-S or AF-C
AF時の顔/瞳優先:入
フォーカスエリア:ワイド
EF16-35mm F4L IS USM
EF24-105mm F4L IS USM
EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
EF24mm F2.8
EF50mm F2.5 コンパクトマクロ
Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
結果
【オートフォーカス】
フォーカスモードについては、シングルAF(AF-S)またはコンティニュアスAF(AF-C)しか選択できません。(AF-AとDMFは使えません)
しかしAF-SとAF-Cについては、今回テストした全てのレンズで動作しました。
特にAF-C時の「オートフォーカス速度」は素晴らしく、「人物の瞳検出感度」も良好でした。特にLレンズは優秀で、EOS 6Dと同等の感覚で扱えます(α7IIIは瞳AFがある分、人物撮影では圧倒的に楽に撮影可能)。
一方で、AF-Sのオートフォーカス速度はAF-Cに比べ遅く、迷うこともありました。ただし、これはα7IIIボディの問題のようで、ソニー純正レンズ(FE35mm F1.8やFE55mm F1.8)でもAF速度・瞳検出感度共にAF-C > AF-Sでしたので、MC-11のせいではなさそうです。
また、連写時のオートフォーカスですが、連続撮影モード「Lo」の時のみAF-Cが効きました。一方、「Mid」「Hi」「Hi+」では1枚目のピント位置のまま(AF固定)連写されてしまい使えません。
なお、動画撮影時にはコンティニュアスAFが効きません。ピント固定となってしまうので、これはちょっと残念なところですね。
【手ブレ補正】
シグマ対応レンズではボディ側+レンズ側手ブレ補正が効くとのことですが、キヤノンEFレンズでどうなるか確かめました。
まず、手ブレ補正付きレンズ(EF16-35mm F4L IS USM、EF24-105mm F4L IS USM、EF100mm F2.8Lマクロ IS USM)ではレンズ側手ブレ補正が正常に作動します。
ただし、ISのON/OFFに関係なくα7IIIのボディ内手ブレ補正は効きません。
一方、手ブレ補正のないレンズ(EF24mm F2.8、EF50mm F2.5 コンパクトマクロ、AT-X 107 DX Fisheye)ではα7IIIのボディ内手ブレ補正が作動しました。古いレンズが最新のα7IIIにより手ブレ補正が効く形で使えるようになるのは嬉しいことです。
✔︎AF-S:全てのレンズで使える *ただしAF-Cに比べ速度は遅く・瞳検出感度も悪い(古いレンズほど顕著)
✔︎AF-A:全てのレンズで使えない
✔︎AF-C:全てのレンズでAF速度・瞳検出感度良好
✔︎DMF:全てのレンズで使えない
✔︎連写時AF:Loのみ使用可能
✔︎動画:コンティニュアスAFは効かない
✔︎レンズ側手ブレ補正:IS付きレンズで正常に作動
✔︎ボディ内手ブレ補正:IS付きレンズでは効かない、それ以外は効く
まとめ
連写には制限があるので動きものを連写撮影するような方は注意が必要ですが、私のように風景や人物撮影が多い人にとってはMC-11のおかげでキヤノンレンズを十分活かしてソニーボディを楽しめます。特に人物撮影をする方にとっては瞳AFの恩恵は大きいですね。
1. キヤノン用交換レンズをソニーEマウントボディで使用可能にする
2. 写真では瞳検出含めてAF-Cが優秀で使える
3. シグマ対応レンズではボディ側+レンズ側手振れ補正に対応
4. 非対応レンズではレンズ側手振れ補正が効く
5. レンズ側手振れ補正がないレンズではボディ内手振れ補正が効く
6. Exifデータ反映