広角レンズの特性や撮り方のコツを作例とともに解説 | 広角撮影が苦手だった私が意識したこと

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 一眼レフカメラやミラーレスカメラの魅力はレンズ交換できることですね。

2本目や3本目のレンズとして広角レンズを検討している方もいるのではないでしょうか。私はどちらかというと望遠の方が好きだったのですが、3年ほど前に登山で使うためにEF16-35mm F4L ISを購入しました。

最初は広角が苦手だったのですが、使っているうちに好きになって今では広角レンズが手放せなくなっています。

かつての私のように、広角レンズを買ったものの使いどころが意外と難しい、、なんて思っている方。もしかしたら撮り方をちょっと工夫するだけで楽しくなるかもしれません。

本記事では、広角レンズの特徴と私が考える撮り方のコツを作例とともにお伝えします。

 

 

広角レンズの特徴

一般的にフルサイズ換算で焦点距離が35mmより短いものを広角レンズと言います。iPhoneで撮った写真は、焦点距離28mmで広角の一つになりますが、みんな見慣れているので、感覚的にはフルサイズ換算で20mm以下のレンズを使うと広角気分を味わえると思います。

広角レンズには大きく3つの特徴があります。

  1. 広い画角
  2. パースが効く
  3. 被写界深度が深い 

広い画角

広角レンズと言ったら文字通り「広い画角」が特徴ですね。同じ地点から撮影した場合に、標準レンズよりも広い範囲を写すことができます。標準レンズでは入りきらない場面で大活躍。

下の写真はほぼ同じ地点から撮影していますが、24mmでは写っていない手前の大きな岩と川が16mmで写せています。

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パースが効く(遠近感が強調される)

広角レンズでは標準レンズに比べ、「手前のものはより大きく」「奥のものはより小さく」写り、遠近感(パースペクティブ)が強調されます。

下の写真も真ん中の道が奥に向かってすぼまって1点に収束していくのがわかります。広角レンズはパースを活かした写真が撮りやすく、遠近を強く感じさせることができます。

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被写界深度が深い(手前から奥までピントが合う)

同じ絞り(F値)で比較した際に、広角レンズは標準レンズよりもピントの合う範囲が広くなります。風景写真などで手前から奥までピントを合わせたパンフォーカス撮影がしやすくなります。下の写真も足元の岩から奥の山までピントが合っています。

逆にボケを活かした写真は取りにくいという特徴があります。

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広角レンズを使うコツ

私が意識している広角レンズを使うコツですが、結論を先に言うと、カメラの「位置取り」です。いや、分かってる人にとっては当たり前だと思うんですけどね。

具体的に言うと被写体との「距離」「角度」

この2つを意識するだけで広角レンズをコントロールできるようになってきました。

これが全てと言って良いくらい、広角レンズではカメラ位置を少し変えるだけでガラッと印象の違う写真になります。

広角レンズを使うコツ1:距離を意識(被写体に近づく)

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16mm, f/18, 1, ISO100

広角レンズで何となく撮ると平面的で何を撮りたかったのか分からなくなりがちで、私自身そんな写真を量産していました。 

意識としては主題とするものにとにかく近づくこと。1歩、2歩、いやもう接するんじゃないかっていうくらいぐっと寄りましょう

もう少し細かいことを言うと被写体A(手前の主題)と被写体B(奥の副題)の「距離比」を意識しています

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広角レンズの強みは手前の被写体にめちゃくちゃ寄ることで、この距離比を大きくできること。例えば、奥の被写体まで100m離れていたとして、広角で手前の花から5mの位置で撮ると、図の右上のような平面的な写真になりがちです(ここでは良い写真・悪い写真は議論しません)。標準レンズと同じような見た目で写る範囲だけ広くて、場所によっては写したくないものが入ってしまって使いづらい。。

一方、花に50cmまで近づく(距離比で10倍)と、背景の大きさは変わらず、手前の花が大きく主題となる写り方をします。画角的に奥と手前を両方入れられる広角レンズだからこそ、この背景と手前の被写体との距離比を大きく取れるのです(望遠だと画角的に手前と奥が同時に入らない)。距離比を作れるというこの広角の特性を活かすことが標準レンズとは”一味違う”写真を撮るコツだと思っています。

ここでは詳細は割愛しますが、望遠レンズの圧縮効果も考え方的には同じです。

 

 

広角レンズを使うコツ2:見上げる、見下ろす(角度を意識)

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本質的には距離の話と同じなのですが、広角レンズの特性を活かすために「被写体を見上げたり、見下ろしたり」します。これにより被写体内で距離差が生まれてパースが効きます(木の根元は近く、てっぺんは遠い)。

広角レンズをつけたら積極的にカメラ位置を高くしたり低くして、被写体に対して角度をつけてみましょう

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16mm, f/4.0, 1/1250, ISO100

例えばこの写真は、手を伸ばして高い位置からほんの少し下を向けて撮影しています。それによって、ひまわり畑を広く写せるようになるとともに、中央の道のラインと空の雲のラインが真ん中に収束して奥行きを感じるようになります。 

木や建物、道など構図内に真っ直ぐなラインを入れると広角レンズのパースを活かしやすく、今回紹介したカメラの位置どり…被写体との「距離」と「角度」を変えることで最も効果の出るところを発見できます。

 

広角レンズを使うコツ+α:人物は真ん中に

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16mm, f/4.0, 1/4000, ISO200

広角レンズの特性を活かすコツは「距離」と「角度」ですが、+αで意識していること。

それは人物撮影時は人に対して広角の効果(歪み)が出すぎないように注意すること。

集合写真を広角で撮影して、写真端の人の顔がビニョーンと伸びているのを見たことありませんか?広角レンズで人物を撮るのであれば、少し距離をとって真ん中に配置してあげると歪みの影響が出にくくなります。

綺麗な景色を入れながら人を撮るのは好きなので、「広角で日の丸構図」は私自身よく使う構図です。

人物を広角レンズで足元から撮って脚長効果を出す方法がありますが、超広角レンズでやるとデフォルメされすぎてとんでもない写真になることがあります(笑)この辺りは色々遊んで楽しんでください。

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それと、人物に限らず風景写真でも広角だからと言って全てパースを効かせて撮らなければならない訳ではありません。

角度をつけず真正面からフラットに取れば歪みの少ない写真が撮れます。

特性を理解して色々なパターンの写真が撮れたら楽しいなと思います。

では実際に広角レンズを使うとどんな写真が撮れるでしょうか!?作例とともに広角の使いどころをご紹介します!

 

広角レンズの魅力を作例とともに紹介

広角レンズの魅力1:広大な景色を見たままに

はい、広角レンズの醍醐味!私が広角レンズを購入した理由でもあります。

目の前の雄大な景色を全部撮りたい!という時に大活躍

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17mm, f/4.0, 1/1600, ISO400

標準レンズでは入りきらない景色を1枚におさめることができます。

手前の花から奥の山まで入れたかったり、空と地上を両方撮りたいと思うとできればフルサイズ換算で20 mm以下の広角が欲しくなります。

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山登りで出会う景色にもちろん山そのものの良さもあるのですが、空に広がる雲も魅力。広角レンズで撮った空の写真とても好きです。

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28mm, f/5.0, 1/160, ISO100

奥の山と手前の池や湖に映るリフレクションなんていうのもいいですね。足元の被写体と背景を同時に写せるのが広角レンズの良さ。

 

広角レンズの魅力2:その場にいるような臨場感

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16mm, f/4.0, 1/500, ISO100

こちらの写真、実際に吊り橋を歩いているような気持ちになりませんか?

超広角レンズでは正面から自分の足元まで入れて撮ることができるので、GoPro動画のような臨場感を出せます。広角レンズだと被写体に対して角度をつけて撮れるので積極的に足元も入れて撮影してみると新たな視点が得られますよ

 

広角レンズの魅力3:被写体の迫力が伝わる

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20mm, f/14, 1/2, ISO400

こちら引いて撮影すると、1つ1つの花房は小さく写ってしまう場面ですが、「藤棚全体の迫力」と「1つ1つの花房の綺麗さ」の両方を伝えたくて撮影しました。広角レンズで手前の花にグッと近づくことで、藤棚の全体の美しさと花房の綺麗さの両方を画面に写し込めました。

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「手前のものはより大きく」「奥のものはより小さく」写るのが広角の特徴

被写体に近寄ることで、手前のものが実際よりも強調されます。上のカモメの写真は広角レンズでカモメができるだけ近づくタイミングでシャッターを切ることで、広い空・海とセットで絵葉書のような雰囲気に。

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16mm, f/14, 1/2, ISO100

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18mm, f/10, 1/400, ISO100

あるいは、目の前の被写体が物凄い大きさの場合、例えば見上げるような壁や滝などを捉えられるのも広角レンズの醍醐味です。

 

広角レンズの魅力4:旅行や街中で使っても面白い

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16mm, f/14, 1/160, ISO200

雄大な自然を撮るだけが広角の魅力とは限りません。

街では大きな建物と距離をとれない場面が多いのですが、そんな時に広角レンズがあるととても便利。目の前のかっこいい建造物を写真におさめることができます。

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16mm, f/8.0, 8, ISO100

そのほかにも旅先で広角レンズは大活躍。国内であれば温泉街や寺社仏閣、海外旅行でもヨーロッパに多い大きな教会や町並み、世界遺産になっている場所などで重宝します。

 

広角レンズの魅力5:室内で力を発揮

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16mm, f/4.0, 1/60, ISO6400

広角レンズというと広い場所で使うものなイメージがあるかもしれませんが、実は逆。

狭い場所(被写体と距離を取れない場所)こそ広角レンズの出番です。

お店や建物の中は自分自身が引くことができないので広角レンズがないと撮影できません。

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16mm, f/4, 1/1250, ISO200

こちら「あべのハルカス」の展望台からの景色!

16mmで建物内の人をいれつつ眼下に広がる景色を撮影できました。ここもこれ以上自分自身は下がれない場面。被写体と距離を取れない場所こそ広角です。

ちなみに広角では画面の端はどうしても歪むので人物(特に顔が写っている場合)を入れるのはあまりおすすめしません。ここでは背中ということとカメラの位置どり(高さ・角度)を気にすることでできるだけ人物に歪みが出ないように気をつけています。

 

広角レンズの魅力6:デフォルメ

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16mm, f/8.0, 1/60, ISO200

グッと近づくことで遠近感が強調される広角レンズ。 人物の顔に近づくと歪むので嫌がられますが、デフォルメされるのを利用するのもあり。ペットを飼っていたら近づいて撮って欲しい♪

 

各社の広角レンズ比較

フルサイズ

広角レンズは単焦点からズームレンズまで色々出ていますが、実際に私が使っているのはCanon EF16-35mm F4L IS USM。

このレンズはインナーズームといってズームをしても全長が伸びないのと逆光耐性が強いのが気に入って使っています。

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広角側が16mm、望遠側35mmあると汎用性が高く旅行を含めて使いやすいです。広角の良さを使いつつ、人物を35mmで歪みなく撮影できます。F4かF2.8かについては風景や旅行がメインであれば、広角だとボカして撮りたい場面がそこまで多くないことと、重量・価格を考えF4で十分だと思っています。その分、50mm単焦点などを1本足した方が幅は広がるかと。

今年ソニーα7IIIを購入したので、順当に乗り換えるのであればFE16-35mm F4ZAですね。

一方で、2019年7月にタムロンから出た17-28mm F2.8も良さそうです。F2.8通しで16-35mmF4並みの軽さと価格。

ただこれ1本を持ち出すと考えると望遠側が28mmというのがちょっと不便に感じそうなので、基本は28-75mm F2.8と両方持ち出すイメージですかね。

また、ニコンZマウントだと2019年4月発売の14-30mm F4が広角14mmスタートなのに出目金レンズではなく、フィルターがつけられて評判がいいですね。広角レンズを使って渓流や滝を撮りに行くときND(減光)フィルターを使いたくなりますが、レンズにねじ式のフィルターを取り付けられるのは取り回しが良くて便利。

APS-C

APS-C用のレンズをフルサイズに換算するときは焦点距離に1.5倍(キヤノンは1.6倍)を掛けてください。フルサイズ16-35mmの画角はAPS-C用レンズで10-23mmくらいですね。

APS-C用のレンズだとソニーはE10-18mm F4 OSSです。α6400に続き、α6600やα6100の発売が話題になっていますが、携帯性を重視するとAPS-Cは魅力。Youtubeで自撮りするために使っている方多いですね。

キヤノンだとEF-S10-18mm F4.5-5.6 ISで、このレンズは知り合いが使っているのでEF16-35mm F4 ISと比べたこともありますが、四隅の流れや描写が気になるだとか細かいこと言えば色々と違いはあるものの、人にパッと見せる分にはこのレンズで十分じゃない?と思います。アマゾンの価格で3.7倍の差ですからね。

EOS MシリーズだとEF-M11-22mm F4-5.6 ISが安いのに軽くて描写も良く以前から評判いいですね。220gという軽さでやたら写りがいいというのでEOS kiss Mを持っていたら購入してたなぁなんて。

D5600やD7500などニコンのAPS-Cカメラにコスパ最強の広角レンズが10-20mm F4.5-5.6G VR。3万円で、重さ230gと軽くてフルサイズ換算15-30mm。あれっ?これって登山最強レンズなのでは、、と思ってしまいました。ニコンユーザーではないですが、お手軽に広角はじめるのに良さそうです。

富士フイルムではXF10-24mm F4 R OISですね。富士のフィルムシミューレーションで色を試しながら撮る風景写真も面白そうです。

ペンタックス用だとF2.8通しで重量も価格も大きいですが最近発売された11-18mm F2.8ED DCは星撮りに良さそうで気になります。現実的に取り回しの良いペンタックス用広角レンズだと、純正、シグマ、タムロンからそれぞれ出ていますが、最もリーズナブルなのがタムロンの10-24mm F3.5-4.5ですね。

マイクロフォーサーズ

マイクロフォーサーズ用のレンズをフルサイズに換算するときは焦点距離に2倍を掛けください。フルサイズ16-35mmの画角はAPS-C用レンズで8-18mmくらいですね。

マイクロフォーサーズ用の超広角レンズと言えばオリンパスのED7-14mm F2.8 PROですね。フルサイズ換算14mmスタートは魅力的。一方で534gというマイクロフォーサーズ用レンズとしては重い、出目金レンズでフィルターをつけられない、望遠側がフルサイズ換算28mmまでなのがネックであまり使わなくなったという声も。写りを撮るか利便性をとるかですね。超広角にこだわりがあればこちらですが初めての広角にはハードルが高いかも?

フルサイズ換算16-35mmと同等の画角のライカ8-18mm F2.8-4.0。ED7-14mm F2.8 PROとの違いはフィルターがつけられて、より軽く(315g)、望遠側がフルサイズ換算36mmまでということ。初めての広角レンズならこちらの方がとっつきやすいですね。

上記2つはいずれも10万越えのレンズ、、もう少しリーズナブルにマイクロフォーサーズで広角を楽しみたい人向けなのが、オリンパスのED9-18mm F4.0-5.6。フルサイズ換算18mmスタートで超広角とは言えないですが、キットレンズに比べれば十分広さを感じられます。

 

その他、フルサイズ換算で12mmスタートのレンズなどもありますが、初めて広角レンズを使うのでしたらまずはフルサイズ換算で16mmや17mmスタートで広角の特性を体感するのがいいと思います。標準レンズとはまた違った世界があって楽しく手放せなくなりますよ!

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16mm, f/10, 1/250, ISO100
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