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滝の写真の撮り方 | カメラの設定とフィルターの活用法を解説

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旅行先や山で「滝」や「渓流」の写真を、綺麗に残したいと思ったことはないでしょうか。

しかし、カメラで水の流れを幻想的あるいはダイナミックに写すにはどうしたらいいのでしょうか。

カメラ初心者でも設定ひとつで「簡単に」「全く違った印象の写真」が撮れるようになるのが「滝」の写真なので、風景写真の被写体としてぜひ挑戦してほしいと思います。

本記事では滝撮影時の「カメラの設定」と「撮影方法」についてご紹介します。

 

 

シャッタースピードを変えて表現の幅を広げる

雑誌に載っている滑らかな水の流れの写真を見て、自分でも撮りたいと思う人は多いのではないでしょうか。

私もその一人でした。

滝を撮影するときに結果に大きく関わってくるのがシャッター速度です。

  • シャッター速度が『速い』→水の動きが止まってダイナミックに
  • シャッター速度が『遅い』→水の流れがブレるため滑らかで柔らかな印象に

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このようにシャッター速度を変えることで、同じ滝でも全く違う印象の写真となります。

正解というのはありませんが、スローシャッターにすることで滑らかな水の流れを表現することができます。

では、どのような設定で撮影したらいいのでしょうか?

   

カメラの設定

最初に滝撮影時の設定をまとめました。

  • 撮影モード:絞り優先モード*
  • ISO感度:ISO100固定(オートになっている場合はマニュアルにする)
  • 絞り値:絞る(F16やF32のように大きい数値)
  • 2秒タイマーでシャッターを切る
  • 三脚使用
  • レンズの手ブレ補正はOFF

以下、撮り方を解説していきます!

*シャッタースピード優先モードでもOKです。しかし、露出ミスのリスクを考え、絞り優先モードをおすすめします。例えばシャッタースピード優先モードで「1秒」に設定。その時に、ISO100、最大絞り(F32など)でも明るすぎる、、という条件だと露出オーバーになります。絞り優先モードでISO100、最大絞り(F32など)にすれば、その時に切れるシャッター速度が、その条件で一番遅いシャッター速度になります。それ以上遅いシャッターを切りたいのであればNDフィルターを使うしかないと考えられます。

 

撮り方

三脚にカメラをセッティングし、ISOを最低感度(ISO100)に固定します。

撮影モードを絞り優先モードにして、F値を変えていきます。

まずはF16やF32のように数値を大きくして撮ってみましょう。

この時にどのくらいのシャッター速度になるでしょうか。

 

滝の落差や水量によって水の流れが綺麗に見えるシャッター速度は変わってきますが、シャッター速度が「1/10秒〜1秒」くらいになるようF値を変えてみましょう。

 

スローシャッター時に、シャッターボタンを手で押すとブレてしまうので、カメラのタイマー機能を使いましょう!

(レリーズがあるとより良いので後述します)

2秒タイマーが付いていることが多いので、シャッターボタンを押したら、カメラから手を離します。

なお、三脚使用時はレンズの手ブレ補正はOFFにすることが推奨されています。

 

あると便利な物

レリーズ

カメラの2秒タイマーでも写真は撮れますが、レリーズを使うと自分の撮りたいタイミングでシャッターを切れるので便利です。

他に、スマホアプリでカメラと連携させてシャッターを切ることもできたりしますね。

 

NDフィルター

明る過ぎて絞りを最大限絞っても目標のシャッター速度まで長くできないことがあります。

そんな時に使うのが、NDフィルター(減光フィルター)です。 

レンズの前にフィルターを付けることで減光され、シャッター速度を遅くすることができます。

数値が大きいほど減光度合いは強くなりますが、まずはND16かND32くらいが使いやすいでしょう。

 

PLフィルター

PLフィルターは偏光フィルターとも言われます。

偏光サングラスをかけたことがある方は分かると思いますが、光の反射を抑え、コントラストがハッキリとなります。

滝撮影では岩や葉のテカリを抑えることで、しっとりとした雰囲気を出すことができます。 

また、PLフィルターを付けるだけでも減光するためシャッター速度を少し遅くすることもできますね。

  

シャッター速度ごとに作例を見てみましょう 

1/2000秒

1/2000秒という速いシャッター速度により水しぶきがピタッと止まります。

水の勢いを感じられますね。

何でもスローシャッターがいいという訳ではなく、水量が多く迫力のある滝は速いシャッター速度で撮影した方がダイナミックさが伝わります。

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1/640秒

「華厳の滝」を速いシャッター速度で止めることで、落差のある断崖を水が落ちていく様子が伝わるのではないかと思います。

また、この時は飛んでいるツバメを映しこむためにも速いシャッター速度を選択しました。

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1/10秒

1/10秒以下のシャッター速度だと、スマホなどで撮る写真とは違った糸のような表現ができます。

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 1/6秒

手前にシダを入れて大きな滝を撮りました。

水量のある滝では1/6秒でも水の流れは滑らかになります。

風がある時などにあまりシャッター速度を遅くしすぎると、手前のシダなどが被写体ブレを起こします。

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1/4秒

水量や水の流れ方によって、ちょうどいいシャッター速度は変わってきます。

初めての滝では1/4秒くらいを基準にシャッター速度を速くしたり遅くしたりして良いところを探していきます。

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1秒

1秒以上になると三脚を立てていてもブレに気をつける必要があります。

光の筋が美しく、滝も糸のように表現したくて長めのシャッター速度にしました。

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2秒

森の中のしっとりとした雰囲気を撮りたくて、こちらの写真ではPLフィルターを使用しています。

PLフィルターが無い時よりも新緑の色が深くなり、岩肌のテカリが抑えられています。

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25秒

ND500を使用して、25秒という長秒撮影しています。

1〜2秒では滝壺の水面がざわつくのですが、極端に露光時間を長くすることでフラットな水面となり神秘的な写真になったのではないでしょうか。

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まとめ

ミラーレスカメラや一眼レフカメラの醍醐味は自分で設定を細かく変えられることです。

滝はシャッター速度により全く違った写り方、表現ができるのでぜひ挑戦してみてください。

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