モノクロ撮影をしたことはありますか?
あるいはモノクロ写真を部屋に飾っていたりしますか?
普段カラーで撮影していたとしても、モノクロ現像をしてみるとまた違った良さが出てきますし、部屋に飾る写真をモノクロにするとインテリアとして馴染みやすくなります。
私も普段はカラー写真がメインですが、時々モノクロ現像して気に入った写真はA3印刷して部屋に飾っています。
本記事では、モノクロ写真の面白さとモノクロ写真の合う写真(撮影のコツ)をご紹介します。なかなか外に出られない時期に自宅で写真を楽しむ方法の一つとしてモノクロ現像おすすめです。
モノクロ(白黒)写真の良さとは
普段はカラーで写真を撮っていますが、モノクロにしたらとてもカッコよくなる写真ってありませんか?
上の写真も朝霧が出た河原のベンチを撮影したものですが、カラーよりもモノクロにした方が、よりノスタルジックで物語が始まりそうな雰囲気を醸し出します。
色情報がなくなることでよりシンプルで抽象的な印象となるモノクロ写真。
今回はどんな写真がモノクロ写真に合うのか(モノクロ撮影のコツ)を、山で撮影した写真を中心にLightroomで現像しながら考えてみました。
(本記事の写真はEOS 6Dまたはα7IIIで撮影したRAWデータをLightroomでモノクロ現像しています。)
iPhoneのアプリでもモノクロはできますし、ソフトは何でもOKです。
立体感のある山並み・岩壁
白、グレー、黒のコントラストで表現される世界。写真は「光」が大事だとよく言われますが、色情報がないモノクロ写真ではそれが如実に現れます。
こちらは鷲羽岳から水晶岳への山並み。朝日が当たって奥に続く山の稜線が印象的でした。
真昼の真上から光が当たっているときはこのような稜線の立体感は生まれません「影」があることで被写体の形が見えてきます。
このような写真はもちろんカラーでも綺麗な写真なのですが、白黒化することで陰影のある山並みにより注目できる写真になると思います。
光が大事と言いますが、光には方向や大きさ、強弱があり、特に「サイドから当たる光」は物を立体的に浮かびあがらせてくれます。
右上の写真は霧が立ち上る涸沢岳ですが、夕方の光が横から差し込んだことで岩のテクスチャ、何層もある岩壁の奥行きが伝わる写真になったのではないでしょうか。
森の中
何枚か森の写真もモノクロ現像してみました。霧が出た森も、モノクロ写真にすると幻想的な雰囲気がより引き立ちますね。
もともと色情報が少ない状況なので思い切って白黒にしてしまうのはいいですね。
モノクロ写真は「抽象化」というのも鍵かもしれません。余計なものを削ぎ落としてシンプル化することで一番伝えたいものが際立ちます。
雪が積もった森の中を歩いていて、木の影が面白くて撮った写真。「影」そのものに注目した写真を見かけることは多いですが、やはりモノクロ写真で「影」という被写体はとても合いますね。
雲・雲海・滝
ここまででモノクロ写真で「光と影」は印象的な写真になりやすいことは分かりましたが、「コントラスト」も鍵です。山でコントラストの大きい被写体と言えば、「雲」や「滝」が挙げられます。
山に登って目の前に広がる雲海や、青空に浮かぶ様々な形の雲は好きな光景の一つですが、モノクロにすることで白い雲が引き立ちます。
この時、露出オーバーで雲が白トビしてしまうと、雲の表情がなくなってしまうのでアンダー気味に撮影しておくことをおすすめします。
また、渓谷を流れる川や滝もモノクロ写真がとても合います。左上は高速シャッターで止めた水しぶきと岩の質感が印象的。
また、こちらは滝の流れとともに、上方からの光で濡れた岩が照らされているのですが、カラーから白黒にすることでより鮮明に。思い切って暗い面積を増やすのも良いと思います。
山や人物のシルエット
モノクロ写真で影とともにいいのが、「シルエット」ですね。色情報を無くすことで「形」に注目することができます。
富士山や、馬の背を歩く登山者の姿。シルエットに関してはカラーではイマイチな場面がモノクロだとすごく良くなることがあって、新たにアイデアも浮かんできたので、白黒にすることを念頭にした写真をもっと撮っていきたいと思いました。
まとめ
写真をピックアップしていくと、モノクロ撮影のキーワードは「光と影」・「コントラスト」・「形」といったことが分かってきました。
言葉に落とし込むと結局は巷で言われていることと同じなのですが、やはりこれらをちょっと意識するだけでこれまで見落としていた景色が見えてくる思います。
そしてモノクロでいい写真はカラーでも良いんですよね。写真は、やはり「光」が大事なんだなと再認識させてもらえます。
カメラの設定を変えるだけで簡単にモノクロ撮影できますし、そうでなくてもまずは過去にカラーで撮影した写真を試しに白黒にしてみるだけでも新たな発見があります。
自宅でできる写真の楽しみ方の一つ。良ければお試しください。
手が届かないけれどモノクロやり出したらこんなカメラも気になりますよね・・笑