北アルプスに対してやや地味な南アルプス。
特に南アルプスの南部はそれなりに登山歴がある人でも、あまり話題に出てこず登ったことが無い人も多いかと思います。
私自身、なかなか行けずにいた場所ですが、調べれば調べるほど山をたっぷりと味わうには最高の場所。
春から登山日数を増やしてトレーニングを積んだ上で、一昨年の夏休暇についに妻と二人で4泊5日のテント泊縦走を計画しました。
4日目の記録です。
- 今回の登山ルート
- 4日目 聖平小屋から茶臼小屋を目指す
- 5:00 聖平小屋を出発
- 6:20 南岳
- 6:50 上河内の肩 晴れてきた!?
- 7:10 上河内岳頂上
- 8:30 茶臼小屋/茶臼岳分岐
- 8:45 茶臼岳頂上
- 9:50 茶臼小屋
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今回の登山ルート
『椹島〜荒川三山(悪沢岳)〜赤石岳〜聖岳〜上河内岳〜茶臼岳〜畑薙』
今回のコースは南アルプス南部の百名山を3つ(悪沢岳、赤石岳、聖岳)、二百名山を1つ(上河内岳)、そして三百名山を1つ(茶臼岳)踏む非常に豪華でハードな南アルプスの南部縦走コース。
- 登山日:2017年8月10〜14日
- 総距離:約45km、総時間:36時間
- 累積標高差:上り約5,179m、下り約5,352m
1日目:畑薙ダム夏季臨時駐車場~椹島ロッジ~千枚小屋(テント泊)
標準コースタイム:6時間45分
2日目:千枚小屋~荒川三山(悪沢岳)~赤石岳~百間洞山の家(小屋泊)
標準コースタイム:10時間35分
3日目:百間洞山の家~兎岳~聖岳~聖平小屋(テント泊)
標準コースタイム:7時間20分
4日目:聖平小屋~上河内岳~茶臼岳~茶臼小屋(テント泊)
標準コースタイム:5時間20分
5日目:茶臼小屋~横窪沢小屋~畑薙大吊橋~畑薙臨時駐車場
標準コースタイム:6時間00分
*標準コースタイムは山と高原の地図より算出。
4日目 聖平小屋から茶臼小屋を目指す
4日目は聖平小屋から上河内岳を経由して茶臼岳を目指します。
当初の予定では光岳まで行く計画だったのですが、午後の天候が思わしくないことと、疲労度を考え、無理をしないことにしました(朝の時点ではどうするか迷っていて茶臼岳で判断することに)。
5:00 聖平小屋を出発
4日目ともなれば毎朝5時に出発するのに身体が慣れてきました。
本日は二百名山の上河内岳を目指します。
この日の朝はとても不思議な色に空が染まりました。
雲が染まり、辺り一面ピンクの世界。
正面が茶臼岳から光岳までの稜線。
朝の時点では光岳まで行くことを計画していました。
こちらが上河内岳方面。いきなりなかなかの登りになりそうです。
聖平周辺の高層湿原はフォトジェニックな場所。
時間に余裕を持って来てゆっくり撮影しても楽しそうです。
前日は右の聖岳から来ました。
ここから上河内岳まで2.7km、150分とのこと。
それにしてもすごい色です。
森の中に入ると、うっそうとした針葉樹林に霧がかかって「The 南アルプス」といった感じの雰囲気。
3000m級の縦走といっても真夏は暑いので、こういう霧の樹林帯も悪くないです。
深い森の中を進んでいきます。
振り返ると前日登った聖岳!
森林限界を越えて標高を上げていくとハイマツ帯へと変わっていきます。
6:20 南岳
出発から1時間20分、標高2,702m南岳に到着です。
標準コースタイムは1時間55分なので4日目で疲労が溜まっている割にいいペース。黙々と登ってたのかな?
ここから上河内岳の間は高山植物が多く咲いていました。
ガスで遠くの景色が見えないときは足元の高山植物を愛でながら登ります。
上河内岳は景色がいいと聞いていたので、晴れないかなぁなんて話しながら登っていきます。
快晴もいいけれど、この霧の雰囲気もこれはこれで絵になります。
6:50 上河内の肩 晴れてきた!?
上河内の肩は、まさに上河内岳のすぐ脇に位置します。
縦走路から外れて15分ほど登っていくと上河内岳の頂上。
上河内岳を見上げながら休憩していると、あれ?明るくなってきた!?
次々と雲が流れていって、青空が出てきます。
なんじゃこれーーー!
一気に晴れてきました!!
はい、昨日に引き続きブロッケン!
縦走してきた山々が見えてきます!
左が聖岳、中央が赤石岳、右に荒川三山。
自分達が歩いてきた山を見てあらためてよく歩いてきたなぁと感じます。
生きているかのような動きを見せる雲海。
今日歩いてきた登山道も見えてきます。
興奮して写真を撮りまくっていましたが、晴れているうちに上河内岳の上に登りましょう。
見えている山は、全部歩いてきたところ。
右奥(荒川三山)から中央(赤石岳)、左へ(聖岳)、そして手前へと縦走してきました。
これが今回一番思い入れの深い写真かもしれない。
上河内岳に登っているうちにまたガスが上がってくる・・・
近い距離のブロッケン。
雲海に浮かぶ聖岳。空島のよう。
7:10 上河内岳頂上
雲の高さとちょうど同じくらい。
2,803m上河内岳頂上到着です。
良いタイミングで上河内岳に来れました。
30分もしないうちに雲が上がってきてまた霧の中。
さあ、茶臼岳を目指します。
今回の山行は霧の中をよく歩きました。
茶臼岳が目の前に見えてきましたね。
8:30 茶臼小屋/茶臼岳分岐
ここから畑薙方面へ下ればすぐに茶臼小屋。
この時点で、時間的には光岳まで間に合うペースで来れていたので、どうするか迷いつつ、とりあえず30分ほどで登れる茶臼岳を目指します。
上河内岳で絶景も見れて、正直やり切った感もあった我々。
8:45 茶臼岳頂上
三百名山の茶臼岳頂上到着!
ここから光岳まで5時間くらいで、ペース的にはたどり着けるのですが、午後は天気が崩れるとの予報も目にしていたので、もうここでゆっくりすることに。
元来た道を戻って、茶臼小屋を目指します。
先ほどの分岐から5〜10分下れば茶臼小屋です。
茶臼小屋が見えてきました。
連休中なので早く小屋に到着することでテントを良い場所に張ることもできます。
9:50 茶臼小屋
10時前に活動を終わらせるのは早いのですが、行動時間の長い縦走で既に4日目。
知らず知らずのうちに疲労は溜まっているはずなので無理はしないことに。
チャーハンとおでんをいただいてほっこり。
そんな間にも外はバケツをひっくり返したような土砂降り。いやーここでやめて正解でした。
茶臼小屋
1泊2食(寝具込)9,000円
素泊まり(寝具込)5,500円
*寝具持参は1,000円引き
テント 700円(1人)(45張)
弁当 700円
土砂降りの後、雨が止んで晴れてきたのでテントを張って湿っていたものは一通り乾かしました。
いよいよ明日でこの旅も終わりです。
>5日目に続く 下山、長〜い吊り橋!!
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