「裏銀座縦走コース」と呼ばれる飛騨山脈主稜線の縦走路。その中央部に位置するのが日本百名山の「鷲羽岳」「水晶岳(黒岳)」、そして三俣蓮華岳を挟んで西側に位置するのが「黒部五郎岳」です。
これら裏銀座の山々は北アルプスの中でも奥深い場所にあるため日帰りすることはできません。
本記事では新穂高温泉から入って三俣山荘と双六山荘をベースに「鷲羽岳」「水晶岳」「黒部五郎岳」を3泊4日テント泊で巡ってきた記録をご紹介します。
1日目は新穂高温泉から三俣山荘、2日目は三俣山荘から黒部五郎岳を往復しました。
3日目は快晴の中、鷲羽岳・水晶岳を目指しました。
今回の登山ルート
高瀬ダムから「烏帽子岳」「野口五郎岳」「鷲羽岳」「双六岳」西鎌尾根を経て「槍ヶ岳」へ至る「裏銀座縦走コース」は北アルプス深部を堪能できる魅力的なコースです。
しかし、車で行く場合登山口同士が遠いと、車の回収を考えるのが大変でなかなか行く気になれませんでした(一応、下山地へ車の回送サービスをやっているタクシー会社もあります)。
そこで今回は、新穂高温泉から登り、三俣山荘をベースに「鷲羽岳」「水晶岳」「黒部五郎岳」「三俣蓮華岳」を巡る山行を計画しました。
本コースで一番キツイのは1日目ですので、出発時間や体力に応じて手前の双六小屋に1泊する計画も良いでしょう。
1日目:鍋平(新穂高温泉)〜鏡平〜双六小屋〜三俣山荘(テント泊)
標準コースタイム:10時間30分(新穂高センター〜三俣山荘は9時間40分)
3:55鍋平駐車場〜4:45新穂高センター〜6:00わさび平小屋〜8:30シシウドヶ原〜9:00鏡平山荘9:45〜11:30双六小屋12:00〜14:30三俣山荘(テント泊)
2日目:三俣山荘〜黒部五郎岳〜三俣山荘(テント泊)
標準コースタイム:8時間50分
5:00三俣山荘〜5:40三俣蓮華岳〜5:55巻道合流点〜7:10黒部五郎小舎7:40〜9:40黒部五郎岳9:50〜11:40黒部五郎小舎〜13:20巻道合流点〜14:20三俣山荘(テント泊)
3日目:三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜三俣山荘〜双六小屋(テント泊)
標準コースタイム:9時間5分
5:00三俣山荘〜6:10鷲羽岳6:20〜7:10ワリモ北分岐〜7:40水晶小屋〜8:20水晶岳(黒岳)8:40〜9:10水晶小屋〜9:50ワリモ北分岐〜10:00岩苔乗越〜10:50黒部川水源地標〜11:25三俣山荘(テント撤収)12:30〜14:20双六小屋(テント泊)
4日目:双六小屋〜鏡平〜鍋平(新穂高温泉)
標準コースタイム:6時間25分(双六小屋〜新穂高センターは5時間25分)
6:05双六小屋〜7:10弓折乗越〜7:50鏡平山荘8:25〜8:50シシウドヶ原〜10:00小池新道登山口〜10:15わさび平小屋10:30〜11:30新穂高センター12:30鍋平駐車場
登山日:2015年9月20日〜23日
夜明けの鷲羽岳を目指す
3日目は鷲羽岳と水晶岳を目指します。連休中の混んだ山小屋ではトイレに並ぶので、朝起きたら早めの時間に済ませてその後に荷物の準備をしています。
朝5時、予定通り出発します。本日も天気が良さそうです。今日も槍ヶ岳がかっこいい。
三俣山荘を振り返って見たところ。場所が無くてテント場の一番上の方に張りました。
前日登った黒部五郎岳と、手前は黒部川源流。右端に見える谷から伸びている登山道は雲ノ平への道です。
朝一は身体が動かないので意識的にゆっくり歩きます。
標高を上げるとこの光景!山の楽しみ方は色々ありますが、私自身は綺麗な景色を一番の楽しみに登っています。
前日は真っ赤に染まるダイナミックな朝焼けでしたが、今日は淡い空の色。
空気がピンと冷えている中、次第に空の色が移り変わっていく…こういう夜明けもいいですね。
ピンクに染まる空と黒部五郎岳。
陽が昇ってきました。
槍ヶ岳から大キレット、奥穂高岳。
反対側には薬師岳。右も左も北アルプスの有名な山々が連なります。
鷲羽岳に登っている途中で日の出を迎えました。眩しい〜!
鷲羽岳直下には火口湖の鷲羽池。
穂高連峰の右手に焼岳や乗鞍岳まで望めます。光が差し込んで綺麗です。
三俣山荘から鷲羽岳までずっと登りですが景色が良くてテンションが上がっているうちに鷲羽岳頂上が目前に。
鷲羽岳山頂
6時10分、快晴の鷲羽岳頂上到着です。
360度北アルプスの山々に囲まれた山好きにとっては素晴らしい山ですね。
これから縦走する水晶岳までのこの稜線カッコ良すぎないですか!?
鷲羽岳の次のピーク、ワリモ岳から振り返るとこの景色。
天気のいい日にこの稜線を歩ける幸せ。
ワリモ岳を越えて水晶岳へ。
ワリモ岳の北側には、雲ノ平方面への分岐があります。やたらザックがデポされていたのですが、雲ノ平から来て水晶岳までピストンして鷲羽岳に登る人でしょうか。
ワリモ北分岐は曲がらず真っ直ぐ水晶岳へ。
本当に天気がいいですね。
振り返って槍ヶ岳、鷲羽岳のパノラマ。
雲ノ平は大きな大地という感じ。
7時40分、水晶小屋まで来ました!
いざ、水晶岳へ。
正面は赤牛岳、奥に立山連峰。
左手の谷は高天原へ続く沢。
水晶岳への最後の登りは岩場が続きます。
水晶岳山頂
8時20分、水晶岳頂上到着!
北アルプスの山々を見るのに最高の場所です!!
正面に赤牛岳、奥に立山連峰、そして剱岳の先端が見えています。黒部ダムがあって、右奥の方は鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山。
右に目をやると、野口五郎岳。裏銀座の縦走は、あの稜線を歩くわけですね。
そして、ここまで歩いてきた道のりがこれまた一望できます!槍ヶ岳・穂高連峰もかっこいいですね。
24mmで横構図4枚撮影したものをLightroomで結合したパノラマ。
左奥が槍ヶ岳・穂高連峰で、右奥が前日登った黒部五郎岳、その手前が雲ノ平です。
もう見渡す限り、北アルプスの豪華メンバー勢揃いの景色な訳ですよ。大満足です。
広角レンズを持って行ってなくてもパノラマも組み合わせれば写真の幅が広がりますね。24-105mmのレンズ1本で登山中の写真が一通り撮れます。
三俣山荘まで戻る
水晶岳の頂上からの景色を堪能したので、来た道を戻ります。帰りは目の前に槍ヶ岳を見ながらのこれまた贅沢な稜線歩き。
水晶小屋まで戻って来ました。裏銀座縦走の際は使うことがあるかもしれませんが定員が30名ということで、混雑する連休に泊まるのは現実的では無いですね。テント場もありません。
さて、帰りはワリモ岳北分岐から西へ曲がり、谷ルートを通って三俣山荘に戻ることにします。鷲羽岳ピークを越えるよりもコースタイムが短いですし、黒部源流を通ることができます。
黒部川水源
黒部川は鷲羽岳西側の谷が源流となっています。「黒部川水源地標」も建っています。
ここが黒部川のスタート地点なんですねぇ。
この谷はすでに紅葉がかなり進んでいて赤や黄色の葉が目を楽しませてくれます。
ここからも黒部五郎岳が見えました。
黒部源流の地点から斜面を登り返して三俣山荘に戻ります。
三俣山荘から双六小屋にテント移動
11時半、三俣山荘に戻って来ました!テントがだいぶ減っています。明日は連休最終日なので、今日帰宅して翌日は家で片付けしたりゆっくりしたい人が多いのかもしれません。
我が家も明日は、新穂高温泉まで下山した後に、車で帰宅するのに5時間はかかるので、今日のうちに双六小屋まで進んでおきます。
9月後半ですが、この日は暑さで若干バテ気味。ビール飲んで休みたいところですが、気持ちを奮い立たせてテント撤収し、12時半出発します。
双六岳に寄る選択肢もあったのですが、ここまでの3日間で絶景にかなり満足していたので、巻道で真っ直ぐ双六山荘まで戻りました!
14時20分、双六山荘到着!テント設営してゆったり休憩〜〜。
双六山荘の缶ビールが売り切れていて、なぜか生ビールをビールと同じ値段で飲めるというラッキーもあり、あとはのんびりしてました。
>4日目、新穂高温泉に下山。
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