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【北海道】トムラウシ | まさに神々の遊ぶ庭(カムイミンタラ)絶景日帰り登山

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北海道のどド真ん中、大雪山系の中央に位置する日本百名山のトムラウシ山。

「神々の遊ぶ庭=カムイミンタラ」という言葉がピッタリの手付かずの自然が残る非常に魅力的な山域です。

一方で、トムラウシ山は大雪山系の深部でアクセス・アプローチが非常に長く、最短ルートでも往復10時間ほどかかる上、山頂付近に山小屋が無ありません。また夏でも天気が崩れれば低体温症のリスクが高まり、実際にガイドツアーの遭難事故が起きたことでも有名な山です。

体力勝負の上級者向けコースにはなりますが、最も一般的な短縮登山口からトムラウシ山頂上を目指すコースを歩いてきたのでご紹介します。

 

 

登山ルート

大雪山系の中でも奥深いトムラウシへ日帰りアクセスできる登山口が通称「短縮ルート」と呼ばれるコースで、国民宿舎東大雪荘から林道をさらに10km近く進んだところに登山口があります。

  • 短縮コース登山口〜カムイ天上〜コマドリ沢出合〜前トム平〜トムラウシ山(往復) 

標準コースタイム

登り:6時間20分、下り:4時間45分

今回の登山記録

5:00登山口〜5:50カムイ天上〜7:00コマドリ沢出合〜8:10前トム平〜8:35トムラウシ公園〜9:10南沼野営指定地〜9:45トムラウシ山頂10:15〜11:00トムラウシ公園〜11:30前トム平〜13:15カムイ天上〜14:00登山口

アクセス

国道38号あるいは274号から道道718号に入り、あとはひたすら国民宿舎東大雪荘を目指します。この道は整備されていて走りやすいですがとにかく長い。 夜走るとフロントバンパーに尋常じゃない量の虫の死骸が…自然豊かなところです(笑)

国民宿舎東大雪荘から先は「ユウトムラウシ第二支線林道」と呼ばれる未舗装路を約10km進みます。轍が深くなっているところがあったりして状況によっては不安を感じる道かもしれません。我々が行った時は普通乗用車(レガシィツーリングワゴン)で問題なく通過できました。

 

短縮ルート登山口から出発

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登山口にはバイオトイレが設置されているためここでトイレを済ませます。標準コースタイムで10時間以上かかりますので必ず携帯トイレは持参しましょう。私はモンベルの携帯トイレを持ち歩いています。

 

5時に登山口を出発し20分ほど森の中を歩いていくとトムラウシ温泉(国民宿舎東大雪荘)からのコースと合流します。 

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そこから同じような林間コースを歩き、1時間ほどで「カムイ天上」と呼ばれる見晴らしはよくない小さなスペース(ほぼ登山道)が出てきます。他の登山者もいたのでここはそのまま進みました。

 

視界が開け、十勝連峰が姿を現す

尾根沿いの登山道を進んでいくと視界が開けて前方に「十勝連峰」の雄大な姿が。

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登山道の左手も景色がいいので気持ちよく歩みを進めることができます。しばらく進むと右手の沢へ下りるコースとなります。せっかく登ったところ標高を下げるのは辛いですが、急坂を沢底まで下ります。

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下り切ったところがコマドリ沢出合になります。この場所はコマドリ沢とカムイサンケナイ川の合流地点で増水時は渡れなくなることもあるそうです。今回は全く問題ありませんでした。沢沿いではチシマノキンバイソウがたくさん咲いていました。

 

コマドリ沢出合から登り返す

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コマドリ沢出合から前トム平まで約300m登り返しです。

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再度登り返さなければならないことと、まだ登り行程の半分前後ということで、コマドリ沢出合から前トム平の1時間が一番精神的にキツイかもしれません。大きな岩が続く登山道を一定のペースで登り続けます。

 

前トム平を過ぎるとトムラウシ山が見えてくる

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前トム平に8時に到着。ここはとても景色がいいので少し休憩をとります。シマリスが出てきてくれたりして楽しい時間。

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前トム平から先ではトムラウシをしっかりと目の前に見ることができます。ガレ場は霧が出ると迷いやすそうな雰囲気でケルンも立っています。

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写真右奥のガレ場帯へと進みます。

 

絶景!トムラウシ公園を眼下に最高の景色

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ついにトムラウシ山をとらえました。眼下に広がるトムラウシ公園は大小様々な奇岩が並びます。この景色だけでも満足。体力に応じてここで戻るのも良さそうです。

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トムラウシ山を目の前に大パノラマ!景色を堪能しながらトムラウシ公園へ下っていきましょう。

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8時半にトムラウシ公園到着。トムラウシ公園一帯ではチングルマやエゾノツガザクラが咲き誇っています。

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トムラウシ公園から再度登り標高を上げていくと、左手にまた十勝連峰が見えてきます。

 

トムラウシ山南沼野営指定地

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南沼野営指定地にテントを張っているグループがいました。こちらに携帯トイレブースが設置されています(携帯トイレは持参すること)。

ここで右手へ曲がるとトムラウシ山頂上、左手に曲がると十勝岳方面です。最後の急登を頑張ります。

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登っていくと振り返った時の景色が凄すぎて何度も立ち止まってしまいます。

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十勝岳まで縦走する人もいるんですよね。縦走といってもかなり下って登り返すことになりそうです。

 

念願のトムラウシ山頂上(標高2,141m)

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9時45分、南沼野営指定地からの最後の急坂を登り切り、トムラウシ山の頂上到着です!長く奥深かった!しかし、天気が良く、景色も最高!!

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頂上の北側には北沼越しの雲海も。まだ雪渓が残っています。トムラウシ遭難事故の記事は細かく読んできていたので色々な想いが沸き起こります。今回は安定した天候の中、まさにカムイミンタラ=神々の遊ぶ庭を堪能させてもらいました。

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トムラウシから北部遠方を望めば旭岳や白雲岳が見られます。ここを縦走したいと思ってしまいますが、ヒグマが怖いからここでテント泊は無理…と奥さんには反対されております。

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しかしめちゃくちゃいい眺めです。2日前に十勝岳からトムラウシを眺めていたのでより感慨深い。

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名残惜しいですが、下りも長いので景色を堪能したら帰りましょう。

 

下山は往路と同じ道を戻ります

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10時15分にトムラウシ頂上を下り始めました。天気が持っていたので景色をしっかり楽しみながら歩きます。

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コマドリ沢への下り、そしてそこからまた登り返すなど帰りも長くアップダウンのある行程ですが、無事14時に短縮コース登山口へ下山できました。

下山後は国民宿舎東大雪荘で日帰り温泉に¥500で入れます。登山後の温泉はやっぱり最高です。東大雪荘のコインランドリーで洗濯もできました。

 

トムラウシで見られた高山植物・お花

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チングルマ

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エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、エゾヒメクワガタ

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ハクサンチドリ、イワイチョウ、イワブクロ

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エゾツツジ、チシマフウロ、チシマノキンバイソウ

 

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