北アルプスに対してやや地味な南アルプス。
特に南アルプスの南部はそれなりに登山歴がある人でも、あまり話題に出てこず登ったことが無い人も多いかと思います。
私自身、なかなか行けずにいた場所ですが、調べれば調べるほど山をたっぷりと味わうには最高の場所。
春から登山日数を増やしてトレーニングを積んだ上で、一昨年の夏休暇についに妻と二人で4泊5日のテント泊縦走を計画しました。
3日目の記録です。
今回の登山ルート
『椹島〜荒川三山(悪沢岳)〜赤石岳〜聖岳〜上河内岳〜茶臼岳〜畑薙』
今回のコースは南アルプス南部の百名山を3つ(悪沢岳、赤石岳、聖岳)、二百名山を1つ(上河内岳)、そして三百名山を1つ(茶臼岳)踏む非常に豪華でハードな南アルプスの南部縦走コース。
- 登山日:2017年8月10〜14日
- 総距離:約45km、総時間:36時間
- 累積標高差:上り約5,179m、下り約5,352m
1日目:畑薙ダム夏季臨時駐車場~椹島ロッジ~千枚小屋(テント泊)
標準コースタイム:6時間45分
2日目:千枚小屋~荒川三山(悪沢岳)~赤石岳~百間洞山の家(小屋泊)
標準コースタイム:10時間35分
3日目:百間洞山の家~兎岳~聖岳~聖平小屋(テント泊)
標準コースタイム:7時間20分
4日目:聖平小屋~上河内岳~茶臼岳~茶臼小屋(テント泊)
標準コースタイム:5時間20分
5日目:茶臼小屋~横窪沢小屋~畑薙大吊橋~畑薙臨時駐車場
標準コースタイム:6時間00分
*標準コースタイムは山と高原の地図より算出。
3日目 百間洞から聖岳を目指す
2日間まともに景色が見られなかったのが、3日目にしてついにガスが晴れました。
嬉しすぎる。元気が出ますね。
百間洞の真正面に聖岳がバッチリ見えています。
本日は聖岳のピークを踏んで更に聖平小屋を目指します。
5:00 百間洞を出発
登り始めてしばらく経つと明るくなってきました。
振り返ると、前日登った赤石岳が眼前に。
見上げる高さで、山の大きさを実感しますね。
赤石岳の左手には塩見岳?が見えています。
荒川三山から北へ縦走していくのもいつかやってみたいですね。
朝一は身体が慣れていないのでゆっくり登っていきます。
久しぶりに太陽を拝めそうです。
富士山も遠望できます。
雲海に浮かぶ富士山が美しい。
百間洞からはまず正面に見えている中森丸山を目指して登っていきます。
奥深き南アルプスの山々。
中盛丸山と大沢岳の分岐まで登ってきました。
富士山の左手は前日歩いた荒川三山から赤石岳まで。
光が差し込んでくるこの時間帯は刻一刻と景色が変化していくので見ていて飽きません。
富士山とは反対側は雲の上に乗れそうな気分になるほどの分厚い雲海が広がっています。
天使の梯子。
ザックをおろしてしばし景色を楽しみます。
これから登っていく中盛丸山。
飛行機から見るような景色。まさに雲上の世界です。
6:20 中盛丸山頂上
先ほどの分岐から登ってきて中盛丸山(2,807m)のピークに着きました。
振り返ると大沢岳。
時折薄いガスが発生するので、ブロッケン現象も!
晴れたねーーーー。
これを待ってましたよ。赤石岳を目の前に最高の景色。
赤石岳、塩見岳、、南アルプスの北部まで見えています。
この雄大な景色。
中盛丸山は特別有名ではないと思いますが、南アルプス北部の山々から赤石岳、聖岳、富士山まで見渡せる素晴らしい展望場所。
時間があればここでゆっくりしたいくらいです。
次に向かうは正面の聖岳。
右手の兎岳を経由して縦走していきます。
本日も高低差がありそうです。
奥深い場所です。
ここからは赤石岳を登るか、聖岳を登るかしなければ帰れず、どちらのルートも10時間は歩く必要があるので、絶対に怪我はできないですね。
最初の2日間で感覚は麻痺していますが、中盛丸山から聖岳までもかなりアップダウンがありますし、途中岩場のザレた急勾配などは注意が必要です。
上の写真の聖岳の奥に見える稜線は光岳まで続く南アルプス南部の縦走路。
人って歩いて結構な距離を移動できるのだなと実感します。
兎岳までの中間点まで来ると赤石岳(右のピーク)がいい角度で見られます。
百間洞まで相当下ることが見てとれますね。
こちらは兎岳と聖岳への稜線。
聖岳は近づくほど山の大きさを感じます。
さぁまた登りです。兎岳を登っていきます。
青空と太陽を満喫します。
兎岳へ登る途中振り返って見る大沢岳、中盛丸山、小兎岳の稜線。
早くも雲が上がってきました。
8:00 兎岳頂上
出発から3時間。2,818m兎岳頂上です!
ここから聖岳までもコースタイム2時間以上、しかも聖岳のコルへ一気に下ってからの登りなのでまだまだ頑張りどころです。
兎岳の直下にある兎平避難小屋近くでしばし休憩してから出発です。
聖岳方面、ガスがかかってきてしまいました。
聖岳がガスに包まれる前に写真を撮っておきます。
カッコいい。。
木が茂る鞍部を通過して、また登り返します。
ガスの中頑張って登っていきます。
傾斜がキツイところは写真を撮っている余裕がなかったのか、残っている写真は比較的楽そうなところばかりですね。
10:30 聖岳頂上
ついに標高3,013m、南アルプスで最南端の3,000m峰の聖岳頂上に到着〜〜!
いやー長かった。
聖岳には静岡県側からであれば聖沢登山口、長野県側であれば易老渡(いろうど)から1泊2日で登ることもできます。
でも百間洞から兎岳の稜線での景色が最高だったので、赤石岳から聖岳を縦走するのをぜひおすすめしたいです(キツイですが)。
聖岳頂上から東へ20分ほどで奥聖岳(2,979m)へ行けるのですが、ガスって景色も見えないためこの日はパス。
お湯を沸かして温かい飲み物で休憩後は聖平を目指して急な斜面を下っていきます。
途中、小聖岳を通っていきます。
森林帯に入るとこのガスも雰囲気が出るので悪くない。
奥に聖平が見えてきました。
曇っていますが雨には降られずにすみました。
ラスト、聖平への木道。
ここの雰囲気良くて気に入りました。
12:30 聖平小屋
百間洞から7時間半歩いて聖平小屋に到着です。
本日はここでテント泊。
素泊まり 5500円(シェラフ込)※シュラフ持ち込みは1000円引き
テント 700円(1人)
夕 食 2000円
朝 食 1000円
弁 当 500円(おにぎり)
そして、聖平小屋といえばウェルカムデザート「フルーツポンチ」。
なんと無料でいただけます。
山に入るとどうしてもアルファ米やパスタなどが中心の食事で、極端に野菜や果物を摂らなくなるので、めちゃくちゃ嬉しい。
疲れた体に染み渡ります。
中華丼も頼みます。山の中なのに500円って安い。
連休の山小屋などだと混んでいて食事を断られることもありますし、基本的に山小屋の食事に頼らなくても大丈夫なように食事を持っていっています。
しかし、今回のように4泊5日と期間が長くなるとエネルギー量も栄養も不足しがちなので利用させてもらえるところは頼った方がいいですね。
テント場は森が開けた平坦な場所で水場もトイレも近くて快適でした。
初日に雨に降られてテントが濡れていたので、早めに立てて乾かしながらゆったりと過ごしました。
>4日目に続く 上河内岳からの絶景!!
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